※画像は、イメージです。

ポメグラネイトというフルーツが健康によい、と密かなブームになっている。ブームというと大袈裟かもしれないが、人からポメグラネイトがいいらしいと薦められ、特に気にかけていたわけでもないのに、その後、よく店頭で見かけるようになった。 薦められたとき、ポムなんとかというフルーツ、程度にしか理解しなかった。その後、スーパーで偶然見かけたとき、ああ、これがあのポムか、と思い出した。Pomegranate と表示されていた。赤カブのでかいのみたいな果物で食べ方がわからない。

こちらに来て間もない頃、会社のハローウィンたまたま横で品定めしていた小柄なインド人のおじさんに、これどうやって食べるの?と訊いたらBreak it ! And eat it ! と言った。そりゃそうだ。要するに、皮を剥かずに、割って食べる、ということか。 家に帰ってまっぷたつに切ってみた。赤い汁が飛び散って服の袖に鮮やかな沁みを作った。中は夏みかんのでっかい粒々みたいなのが詰まっていた。ピンク色した粒々の中にジュースが入っているのだろう、これはうまそうだと思って早速ひと粒、口に放り込んだら、ガリッと種が歯に当たった。ひと粒ひと粒にしっかり種が入っていて、ジュースは少ししかない。イクラみたいな、プチッとして、ジュルとなるような食感を期待していたのに、プチッ、ガリッ、でがっかりした。

しばらく食べずに放っておいたら、ますます店頭で見かけるようになった。食べ方を図解した小冊子まで添えてある店もあった。切る方向が決まっていて、切ってから水につけておくと、粒々だけが下に沈み、余計な部分と分けて食べやすいのだそうだ。それでも種が邪魔なことに変わりはないが、一度にたくさん頬張って、しばらく口の中で転がしていれば、ジュースを吸って種を吐き出すことはできる。からだにいい分、食べられるところが少ないのは仕方ないか。

健康への効能は、老化防止とか免疫力増強とか、動脈硬化を防止して心臓によいなどと書いてある。もし日本でも売っていたら、ぜひ親にも食べるように薦めたい。でも、果たして売っているだろうか。日本語があるかどうか、半信半疑で Pomegranate を辞書で引いてみた。そしたら、日本語は石榴(ざくろ)だった。なんだ、石榴か。石榴なら、石榴って、最初からそう言えばいいのに。インド人のおっちゃんも人が悪いな。と思わず呟いたが、インド人のおっちゃんはただの通りすがりだったっけ。